Awesome City Club脱退の真相と現在|勿忘から2026年の針路
菅田将暉と有村架純がダブル主演を務めた映画『花束みたいな恋をした』のインスパイアソング「勿忘」によって、一躍国民的な知名度を獲得したAwesome City Club(オーサムシティクラブ)。ストリーミング再生数が累計4億回を突破し、2021年の第72回NHK紅白歌合戦に初出場を果たすなど、その洗練された都市型ポップスは音楽シーンを席巻しました。
しかし、爆発的なブレイクと時を同じくして、ネット上では「メンバー脱退の決定的な理由は何だったのか」「現在の活動状況はどうなっているのか」「すでに解散したのではないか」といった疑問や憶測が絶えません。結成当初の5人体制から現在の3人体制へと移行した舞台裏、そして個々の活動が目立つ現在のリアルなバンドの立ち位置について、公開資料や関係者の証言、音楽社会学的な視点から深掘りして解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:マツザカタクとユキエの脱退理由は不仲ではなく、バンド結成から年月を経て生じた「個人のキャリア設計と音楽的探求の前向きな変化」による円満な合意である。
- 要点2:解散や活動休止の噂は事実無根であり、メンバー個々のソロ活動と並行しながら3ピース体制で新曲リリースやフェス出演など精力的な活動を継続している。
- 要点3:全員が縛り合わない令和型の柔軟なバンドアライアンスを確立しており、2026年現在も独自の洗練されたポップミュージックを進化させ続けている。
【脱退の真相】Awesome City Clubはなぜ3人体制になったのか?
Awesome City Clubを語る上で、避けて通れないトピックがメンバー構成の変遷です。現在バンドは、atagi(Vocal/Guitar)、PORIN(Vocal/Synthesizer)、モリシー(Guitar/Synthesizer)の3名で活動していますが、2013年の結成当初は5人組の男女混成バンドでした。
最初に脱退を発表したのは、バンドの創設者でありベースやシンセサイザー、ラップを担当していたマツザカタク氏です。2019年8月のツアーファイナルをもってバンドを離れました。当時の公式ステートメントやインタビューにおいて、彼は「バンドの枠を超えて、より広い視野で音楽プロデュースや裏方のクリエイティブに関わりたい」という趣旨の意志を明かしています。自ら立ち上げたプロジェクトだからこそ、バンドの成長とともに自身のクリエイターとしての純粋な欲求と向き合った結果の決断でした。
続いて2020年8月、ドラムを担当していたユキエ氏が脱退します。メジャーデビュー5周年という節目を迎える中、一人の女性ミュージシャンとして今後の人生設計や、ドラマーとして追求したい表現について深く熟慮した末の選択でした。当時の特番インタビューや手記でも、互いを尊重し合った上での発展的解消であることが語られており、金銭トラブルや致命的な人間関係の破綻といった噂は根拠のない憶測に過ぎません。
皮肉にも、ユキエ氏の脱退からわずか数カ月後にリリースされた「勿忘」が空前の社会現象となったため、メディアで初めて彼らを知ったライト層から「以前いたはずのメンバーはどこへ行ったのか」「急に人が減ったのはなぜか」という疑問が噴出し、それが脱退理由をめぐる過剰な詮索へとつながりました。

社会現象「勿忘」と紅白歌合戦|急激なブレイクがもたらした光と影
Awesome City Clubの歴史を語る上で最大の転換点となったのが、2021年1月に配信リリースされた「勿忘」です。映画『花束みたいな恋をした』を試写で鑑賞したメンバーが、その切ない世界観に深く共鳴して書き下ろしたインスパイアソングであり、映画の公開とともにSNSやショート動画プラットフォームで瞬く間に拡散しました。
atagiの伸びやかで芯のあるハイトーンと、PORINの透明感あふれるアンニュイな歌声が織りなすツインボーカル、そしてモリシーが奏でる叙情的なギターリフは、劇中の主人公たちの感情の機微を完璧にすくい取っていました。各ストリーミングチャートで軒並み上位を独占し、累積再生回数は瞬く間に数億回を突破。その年の『第63回輝く!日本レコード大賞』で優秀作品賞を受賞し、第72回NHK紅白歌合戦への初出場を勝ち取ることになります。
ただし、急激なマスへの露出はバンドに一種の歪みももたらしました。インディーズ時代から「架空の街(Awesome City)のサウンドトラック」をテーマに、良質なシティポップやファンク、インディーロックを鳴らしてきた彼らが、世間からは「勿忘のバンド」という強烈な単一イメージで固定化されてしまったのです。急激な認知の拡大と、本来の音楽的アイデンティティとの間で生じるギャップは、多くのポップバンドが直面する試練でもありました。
【データ比較】Awesome City Clubの軌跡と主要指標の推移
バンドの体制変遷と代表曲、そして音楽的アプローチの推移を客観的な指標で比較すると、彼らの戦略的進化が鮮明に見えてきます。
| 時期・体制 | 主な代表曲・指標データ | 音楽的アプローチ | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 初期(2013〜2019年) 5人体制 | 「4月のマーチ」「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」「アウトサイダー」 | 洗練されたシティポップ、ブラックミュージック、渋谷系を昇華した洒脱なアンサンブル | カルチャー層やコアな音楽ファンから熱烈な支持を獲得。独自の都市型世界観を確立。 |
| ブレイク期(2020〜2022年) 3人体制へ移行 | 「勿忘」(ストリーミング累計4億回再生超、紅白初出場、レコード大賞優秀作品賞) | ストリングスやエモーショナルな旋律を前面に押し出したJ-POP王道のバラード&ポップス | 大衆認知を完全に獲得する一方、「勿忘」のパブリックイメージが突出する過渡期。 |
| 現在(2023〜2026年) 多角的アライアンス体制 | 「夏の午後はコバルト」「アイオライト」「Talkin' Talkin'」、各配信新曲 | 初期のグルーヴ感とメジャーのキャッチーさを融合。多彩なサポート陣による柔軟な表現 | 個々のソロ活動で得た知見をバンドへ還元。円熟味と先鋭性を両立した実力派へ定着。 |

噂の真偽を検証|解散説が囁かれる背景と現在の活動実態
ネットの検索窓に「Awesome City Club」と打ち込むと、サジェストに「解散」「活動休止」といった不穏な単語が並ぶことがあります。しかし、結論から申し上げれば解散の噂は事実無根です。現在も公式ファンクラブの運営、定期的な音源リリース、ワンマンツアーや大型野外フェスへの出演が途切れることなく続いています。
では、なぜ解散説が定期的に浮上するのでしょうか。その背景には、メンバー3人のソロ活動が極めて活発であることが挙げられます。
ボーカルのPORINは、その優れたファッションセンスを活かして自身のアパレルブランド「yard store」のディレクターを務めるほか、モデルや女優業、他アーティストの客演などマルチな才能を開花させています。テレビのバラエティ番組や情報番組への単独出演も多く、バンドの枠組みにとどまらない個人での露出が目立ちます。
一方、メインコンポーザーであるatagiは、King & Princeや私立恵比寿中学をはじめとする外部アーティストへの楽曲提供やサウンドプロデュースを多数手掛けており、業界内でも屈指のソングライターとして確固たる地位を築いています。また、ギタリストのモリシーもスタジオミュージシャンや他アーティストのライブサポートを精力的に行いつつ、自身のこだわりである珈琲焙煎の活動など、自由度の高いライフスタイルを実践しています。
こうした個々の自立した動きが「個別の仕事が忙しくてバンドは自然消滅したのではないか」という誤解を招いている要因です。実際には、外の世界で得た刺激や技術をAwesome City Clubという母艦に持ち寄り、新曲制作へと昇華させる極めて健全なサイクルが機能しています。
【実態検証】ネットの反応と評価|「一発屋」の偏見を覆す実力
SNSやネット掲示板におけるAwesome City Clubの評判を客観的に分析すると、一般層と熱心なリスナーの間で評価の焦点が明確に分かれていることが浮き彫りになります。
映画きっかけでバンドを知ったライト層の間では、「勿忘は名曲だが、その後の代表曲が思い浮かばない」「テレビの音楽特番で見かける頻度が落ち着いた」といった声が散見されます。メガヒット曲が巨大すぎたがゆえに、一般的なポップチャートの基準だけで判断されがちであることは否めません。
しかし、音楽専門誌の評論家やライブに足を運ぶコアリスナーの評価は全く異なります。「リズム隊がサポート体制になったことで、楽曲ごとに最適な名プレイヤーを招聘できるようになり、サウンドの自由度が劇的に上がった」「atagiとPORINのハモりや声の重なりは、生演奏の現場でこそ真価を発揮する」といった、純粋な音楽性の高さを称賛する声が支配的です。
特に「勿忘」以前の初期曲である「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」や「Lesson」、そして近年のドラマタイアップ曲である「夏の午後はコバルト」や「アイオライト」などは、ストリーミングプラットフォームのプレイリスト文化の中で長く聴き継がれており、一過性の流行にとどまらない「エバーグリーンなシティポップの担い手」として定着しています。

【プロの結論】令和のバンド力学とキャリア自律|音楽シーンが学ぶべき教訓
音楽社会学の観点からAwesome City Clubの歩みを検証すると、日本における「バンドという組織のあり方」の劇的なパラダイムシフトが見て取れます。
昭和から平成にかけての日本のロックバンド文化では、「メンバー全員が一蓮托生の運命共同体であり、生活も思想も一つでなければならない」という共同体主義が美徳とされてきました。そのため、メンバーの脱退は「裏切り」や「致命的な亀裂」としてネガティブに捉えられ、ソロ活動の活発化は「解散の予兆」としてファンに不安を与えていた歴史があります。
しかし、Awesome City Clubが体現しているのは、個人のアイデンティティとキャリア自律を保ちながら協業する「心理的バウンダリー(健全な境界線)の確立」です。メンバー同士が過度に依存せず、互いの個人のプロジェクトや人生の転機を尊重し合うことで、組織としての持続可能性(サステナビリティ)を高めています。これは、現代の企業組織におけるアライアンス型の雇用関係や、フリーランスの協働スタイルにも通底する非常に成熟した関係性です。
Awesome City Clubの現在地が向いている人・そうではない人の判断基準
- 向いている人:特定の型に縛られず、洗練されたアーバンなアレンジや上質なツインボーカルを楽しみたい人。メンバーが個々の表現者として自立し、豊かな人生経験を音楽に還元している姿を肯定的に応援できるリスナー。
- 慎重になるべき人(あまり向いていない人):泥臭い青春性や「メンバー全員が命を削って同じ釜の飯を食う」ような昭和的・エモーショナルなバンド神話を至上命題とするリスナー。
【Awesome City Club】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:Awesome City Clubは解散したのですか?現在の活動状況は?
A1:解散していません。現在はatagi、PORIN、モリシーの3名体制で、新曲の配信リリース、タイアップ楽曲の制作、全国ツアーや音楽フェスへの出演など精力的に活動しています。メンバーそれぞれのソロ活動も活発ですが、バンドとしての制作も継続して行われています。
Q2:オリジナルメンバーの脱退理由に不仲の噂はありますか?
A2:不仲による脱退ではありません。2019年に脱退したマツザカタク氏は音楽プロデュースなど裏方を含む新たなクリエイティブへの挑戦、2020年に脱退したユキエ氏はドラマーとしてのキャリアと個人の人生観を熟考した上での決断であり、いずれも双方合意の上での前向きな円満脱退です。
Q3:「勿忘」以外で最初に聴くべきおすすめの人気曲はどれですか?
A3:バンドの真骨頂である男女ツインボーカルと洗練されたグルーヴを味わうなら、初期の代表曲「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」や「アウトサイダー」が最適です。また、近年のメロディアスで爽快なポップスを体感したい方には「夏の午後はコバルト」や「アイオライト」を強くおすすめします。
Q4:新曲の最新情報やライブの予定はどこで確認できますか?
A4:Awesome City Clubの公式ウェブサイトおよび公式X(旧Twitter)、Instagram、公式ファンクラブにて随時最新情報が発信されています。各サブスクリプションサービスでも最新シングルやプレイリストが定期的に更新されています。
まとめ:多面的な個性が結実するAwesome City Clubの次章
Awesome City Clubは、「勿忘」の爆発的ヒットによる光と影、そしてオリジナルメンバーの脱退という激動の過渡期を乗り越え、より強固でしなやかな表現母体へと進化を遂げました。
誰かひとつの才能に依存するのではなく、atagiの卓越したメロディセンス、PORINの持つ時代性を捉えるアイコン性、モリシーの音楽的屋台骨を支えるギタープレイが有機的に交差することで、彼らにしか鳴らせない都市のグッドミュージックを生み出し続けています。
固定観念にとらわれず、個々の表現を拡張しながら成熟を深めるAwesome City Club。結成から年月を重ね、令和の音楽シーンにおける「自立したバンドのロールモデル」として、彼らが紡ぎ出す次なる音像に今後も期待が寄せられます。 (出典: awesome city club(Yahoo!ニュース))